2001年1月30日 音楽の友ホール [女性たちシリーズについて]
小倉貴久子ピアノリサイタル

ベートーヴェンをめぐる女性たち

共演者: 小森輝彦(バリトン)
オール・ベートーヴェンプログラム
クラヴィーアソナタ イ長調 作品101、変イ長調 作品110、ホ長調 作品109、
連作歌曲「遙かなる恋人に寄せて」作品98

[当演奏会のチラシに記載された情報から]

 聴きどころ  

 〜アントニア・ブレンターノとドロテア・エルトマン〜

ベートーヴェンが亡くなった直後、部屋の秘密の引き出しからそれぞれ異なる女性が描かれた二枚の「細密画」とベートーヴェンによって書かれた恋文が友人によりみつけられました。
 その手紙の文中で「不滅の恋人」といわれている相手はしかし、名前が明かされていません。その上、日付はあるが年が書かれていないなど、その手紙は様々な謎に包まれているのです。この恋人は様々な変遷を経ましたが、近年の研究により、ほぼアントニア・ブレンターノに間違いないであろうと言われています。
 この恋文が書かれたのはベートーヴェン42歳の夏ですが、それから10年ほど後に彼は3曲のピアノソナタ(作品109,110,111)を作曲しています。それらの作品は「ブレンターノのソナタ」ともよばれています。「不滅の恋人/アントニア」と結ばれることはありませんでしたが、時を経て「遙かなる恋人」に変わりながら心の中に生き続ける恋人にこれらのソナタは捧げられたのです。
 作品101のソナタの献呈をベートーヴェンから受けているドロテア・エルトマンはベートーヴェンの弟子であり、彼のピアノ曲の演奏にかけては、技術の点からも解釈の上からも申し分のない当時のウィーンで定評のあるピアニストでした。ベートーヴェンも、彼女を「親愛な、貴重なドロテア・ツェツィーリア(音楽の守護聖女)」と呼びかけるほど敬愛していました。

 共演者のプロフィール

  小森輝彦 Teruhiko komori

 東京芸術大学声楽科卒業。同大学院音楽研究科オペラ専攻修了。文化庁オペラ研修所第9期修了。平成7年度文化庁芸術家在外派遣研修員として2年間ドイツに派遣され、ベルリン芸術大学に学ぶ。リートをフィッシャー・ディスカウに師事。
 2000年4月の二期会/新国立劇場公演「サロメ」ではヨハナーン役で出演するなど、新国立劇場等での活躍で今もっとも注目を集めているバリトン歌手。
 ヨーロッパでの活躍も目覚ましく、チェコのプラハ国立劇場で、ヴェルディ「椿姫」のジェルモン役を歌うほか、ドイツリートや宗教曲の分野でも多くのステージで歌う。
 五島記念文化財団新人賞を受賞し、五島財団の派遣で現在ドイツに在住。二期会会員。

カンパネラ 聴いてみた「おすすめこんさーと」

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