2001年5月16日 日本福音ルーテル東京教会
桐山建志 小倉貴久子 デュオコンサート
プログラム: ベートーヴェン クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ作品30 全3曲 他

[当演奏会チラシの記載情報から]

 聴きどころ

 ベートーヴェンは1802年の秋に、耳疾による悩みから有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書きます。その遺書の中でベートーヴェンは、生きる世の辛さを苦悩に満ちた表現で記しながら、一方で芸術への深い思いを、作曲することを自分に課された使命との自覚を深めてゆきます。遺書を書いたことは、自分の運命と面と向かい合うきっかけになったのでしょう。この壁を越えたベートーヴェンは、英雄的様式といわれる中期の時代に入ってゆきます。
 ちょうどこの脱皮期に書かれた作品30のソナタは、それまでの常識では考えられないような大胆な手法が散りばめられています。ベートーヴェン自身が「新しい道」と表現した、3曲の作品は、それぞれの曲が個性豊かで全く異なる性格をもち、かつセットである必然性をもっています。

 ヴァイオリンの桐山建志とフォルテピアノの小倉貴久子は、共に「ブルージュ国際古楽コンクール」のソロ部門で優勝しています。1964年に始まった古楽器を扱うコンクールとして最も権威のあるこのコンクールは、なかなか1位を出さないことでも知られており、これまで日本人のソロ部門での優勝者は、75年の有田正広以来このふたりのみです。ヨーロッパで正統を学び、かつ強烈な個性を放つふたりのデュオコンサートが、ここに実現しました。

 桐山建志のプロフィール

 東京芸術大学を経て同大学院修了。第3回練馬区新人演奏会出演、優秀賞受賞。1990年、NHK洋楽オーディション合格、FM新人デビューリサイタルを始め、各地の新人演奏会に出演する。1992年、第2回日本室内楽コンクール入選。1993年〜95年、神戸市室内合奏団の首席奏者を務める。1995年フランクフルト音楽大学に留学、ミヒャエルシュタインサマーコース、F.フェルナンデスのマスターコース等にも参加して、研鑽を積む。1998年フランクフルト音楽大学卒業、第12回古楽コンクール第1位。第10回栃木「蔵の街」音楽祭賞受賞。1999年ブルージュ国際古楽コンクール、ソロ部門第1位。2000年秋、初のソロCD「シャコンヌ」をリリース。現在、「オーケストラ・シンポシオン」のコンサートマスター、「エルデーディ弦楽四重奏団」ヴィオラ奏者、バロックアンサンブル「雅なる宴(La fete galante)」「コンヴェルスム・ムジクム(Conversum Musikum)」のメンバーを務めるなど、室内楽を中心に活動中。鳥羽尋子、天満敦子、岡山潔、W.フォルヒェルト、A.レーリヒ、M.ウティガーの各氏に師事。桐山さんのホームページが開設されています。

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