小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》
【シリーズコンサート】

【過去の公演記録 第11回〜第20回】

現在進行中/第21回からの《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》
《第11回》L.v.ベートーヴェン 《第12回》ルイ・エマニュエル&
イアサント・ジャダン兄弟
《第13回》L.ボッケリーニ
《第14回》Ch.W.グルック 《第15回》J.Ch.Fr.バッハ 《第16回》J.L.ドゥセク
《第17回》J.B.エッカルト 《第18回》N.-J.ヒュルマンデル 《第19回》J.B.ヴァンハル
  《第20回》F.X.モーツァルト  
第1回〜第10回過去の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》の記録

《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》には毎回、モーツァルトと関わりのある作曲家をひとりずつゲストとして迎えます。 モーツァルトとゲスト作曲家のクラヴィーアのソロ作品、またピリオド楽器奏者と共にお届けする室内楽、連弾、歌曲などなど、お話を交えながらのコンサートです。 18世紀にタイムスリップしたかのようなひととき、《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》にみなさまをご案内いたします!

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小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第20回
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《第11回》

2014年4月14日(月)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

《第11回》公演は終了しました

〔ゲスト作曲家〕L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven [1770-1827]

小倉 貴久子(クラヴィーア)

ベートーヴェン:
選帝侯ソナタ 第3番 ニ長調 WoO47-3
ソナタ 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」
ソナタ 変イ長調 Op.26「葬送」
モーツァルト:
小品 ヘ長調 K.33B
幻想曲 ニ短調 K.397
ソナタ イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
ベートーヴェン[第11回]L.v.ベートーヴェン
ベートーヴェンの育った町ボンは、当時マクシミリアン・フランツ選帝侯の元、開化の模範と仰ぎ見られていました。大学を開き、芸術を育成することに努めた、皇帝ヨーゼフⅡ世の弟であるこの選帝侯に、ベートーヴェンは1783年に3曲から成るクラヴィーアソナタを献呈しています。22歳の誕生日を目前に帝都ウィーンへ旅経つベートーヴェンに、ヴァルトシュタイン伯爵は、「たゆみない努力によって、ハイドンの手からモーツァルトの精神を受け取るように」という言葉を贈っています。
変奏曲の第1楽章、終楽章が行進曲という、クラヴィーアソナタとしては一風変わったモーツァルトの「トルコ行進曲付きソナタ」。ベートーヴェンは、実験的ソナタを書き連ねていた1800年初頭に、このモーツァルトのイ長調ソナタに倣うかのようなソナタ「葬送」を作曲しています。そしてフォルテピアノの魅力が光るファンタジー風ソナタ「月光」。古典派音楽を代表する二人の大作曲家の出会いに焦点を当てます。

第11回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]

Anton Walter

《第11回》公演報告!
《第11回》2014年4月14日@近江楽堂 L.v.ベートーヴェン

おモクラへ11回L.v.ベートーヴェン:
選帝侯ソナタ 第3番 ニ長調 WoO47-3/ソナタ 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」/ソナタ 変イ長調 Op.26「葬送」

モーツァルト:
小品 ヘ長調 K.33B/幻想曲 ニ短調 K.397/ソナタ イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」

(写真はゲネプロの様子)


《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》のチクルスが再び始まりました!
初回のゲストはベートーヴェン!ウィーンの二大巨匠のクラヴィーア作品を交互に演奏しました。少年ベートーヴェンが書いた「選帝侯ソナタ」には、現代のピアノでは演奏不可能な細かなアーティキュレーションが施されていて、18世紀末の鍵盤楽器の超絶技巧のスタイルが、後のもとのは異なることだったことを再認識。ファンタジーとタイトルが付された二曲と、「変奏〜メヌエット〜行進曲〜」という形式上の類似点のある、両者のソナタ。
各々の意外な共通点と、強烈な個性とに感じ入る特別な晩になりました。

公演の模様(L.v.ベートーヴェン:ソナタ 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」第3楽章より)

《第12回》

2014年6月17日(火)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

《第12回》公演は終了しました

〔ゲスト作曲家〕ルイ・エマニュエル & イアサント・ジャダン兄弟
Louis Emmanuel Jadin [1768-1853] / Hyacinthe Jadin [1776-1800]

小倉 貴久子・羽賀 美歩(クラヴィーア)

H.ジャダン:
四手のためのデュオ ヘ長調
ソナタ 変ロ長調 Op.4-1
L.E.ジャダン:
四手のためのソナタ ト長調 Op.2-1
モーツァルト:
〈ナンネルの楽譜帳〉よりメヌエット ニ長調 K.7
四手のためのソナタ ハ長調 K.521
シンフォニー ト短調 K.550[四手用ウルリッヒ編曲版]

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
ジャダン[第12回]ルイ・エマニュエル & イアサント・ジャダン兄弟
ヴェルサイユで音楽家の家系に生まれたジャダン兄弟は、二人ともクラヴィーアの演奏に秀で、兄ルイ・エマニュエルはヴァイオリンにも熟達。弟イアサントは、ヒュルマンデルに弟子入りしたこともあり、クラヴィーアの独奏や協奏曲の演奏で注目を浴びたと伝えられています。イアサントの残した作品には天才の閃きが認められ、モーツァルトからシューベルトへの道が示されています。わずか24歳での夭折が悔やまれます。一方、ルイ・エマニュエルは長寿を全うし、歌劇を始め膨大な数の作品を残しました。
第12回では、若き日の兄弟が切磋琢磨して音楽家への道を歩んでいたことを彷彿とさせる連弾作品を取り上げます。モーツァルトの連弾作品は、後期の充実したソナタK.521とト短調交響曲の連弾編曲版です。当時、このような編曲版で交響曲作品も身近に親しまれていました。5オクターブのフォルテピアノでの四手の世界は、様々な技巧の妙味と、華麗な響きが満載です。
羽賀美歩 羽賀 美歩 クラヴィーア Miho Haga
東京藝術大学ピアノ科卒業。同大学大学院古楽科フォルテピアノ専攻修了。 2011年、クレムスエッグ城国際フォルテピアノコンクール第2位。2013年、ブルージュ国際古楽コンクール・フォルテピアノ部門第3位。現在はフォルテピアノ奏者として、また器楽や声楽のアンサンブル・ピアニストとして多くの演奏家と共演している。


第12回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]

Anton Walter

《第12回》公演報告!
《第12回》2014年6月17日@近江楽堂 ルイ・エマニュエル & イアサント・ジャダン兄弟
共演:羽賀 美歩(クラヴィーア)

貴久子&美歩H.ジャダン:
四手のためのデュオ ヘ長調、ソナタ 変ロ長調 Op.4-1
L.E.ジャダン:四手のためのソナタ ト長調 Op.2-1

モーツァルト:
〈ナンネルの楽譜帳〉よりメヌエット ニ長調 K.7/四手のためのソナタ ハ長調 K.521/シンフォニー ト短調 K.550[四手用ウルリッヒ編曲版]

(写真はゲネプロの様子)


フォルテピアノの四手?聞いたこともない作曲家!?シンフォニーの四手用編曲?
誰にも見向きもされないのでは、という心配は杞憂におわり、いつものように満場のお客様にご来場いただきました。
15歳の時にパリで自作のコンチェルトを弾いた、という逸話に残る作曲家たちにまけない経歴をもつ羽賀美歩さんは、小倉貴久子と既に10年以上に及ぶ仲。お互いを知り尽くした間柄でのデュオは、期待をはるかに超える面白いものがありました。
ジャダン兄弟の粋な作曲手腕、オーケストラに負けない緊迫感のあるシンフォニーに拍手が鳴り止みませんでした!

公演の模様(H.ジャダン:四手のためのデュオ ヘ長調 第3楽章)

《第13回》

2014年8月5日(火)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

《第13回》公演は終了しました

〔ゲスト作曲家〕ルイージ・ボッケリーニ Luigi Boccherini [1743-1805]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・杉田せつ子(ヴァイオリン) ・懸田 貴嗣(チェロ)

ボッケリーニ:
ヴァイオリン伴奏つきクラヴィーアソナタ Op.5より
チェロソナタ
クラヴィーア三重奏曲 ト短調 Op.12-6
モーツァルト:
〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ヘ長調 K.15a
クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 K.303
クラヴィーア三重奏曲 ト長調 K.496

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
ボッケリーニ[第13回]L.ボッケリーニ
イタリア生まれのボッケリーニは、チェロの卓越した奏者として活躍を始めました。父親と共にウィーンの宮廷オーケストラに雇われたり、生まれ故郷のルッカに職を求めた彼は、父親の没した1766年から、ヴァイオリンのマンフレーディと共に旅立ち、パリに留まり多数の演奏会を行いました。活躍の場はスペインにまで広がり、69年にはマドリードのドン・ルイス王子に仕える「宮廷ヴィルトゥオーゾ兼作曲家」として、本拠地をこの地に定めるようになります。ボッケリーニは、弦楽器のための作品を多く書き、形式を重んじた同時代のウィーン古典派とはひと味異なる作風を示しています。
ボッケリーニの超絶技巧の冴え渡るチェロソナタ、初期の作品よりヴァイオリン伴奏付きクラヴィーアソナタと、知られざる名曲クラヴィーア三重奏曲を。モーツァルトの作品からは、イタリアの陽光を思わせるヴァイオリンソナタと、爽やかでエネルギー溢れる三重奏曲をお届けします。
杉田せつ子 杉田せつ子 ヴァイオリン Setsuko Sugita
東京藝術大学を卒業後、ウィーン国立音楽大学に留学。日本室内楽コンクール入選、パルマ・ドーロ国際音楽コンクール入賞。リスボンの古楽オーケストラDivino Sospiroの公演に多数参加。日本では、チパンゴ・コンソートを主宰し、E.オノフリと多くの共演公演を開催。年間ベスト公演などとして多数の音楽誌上に選出されている。
懸田貴嗣 懸田 貴嗣 チェロ Takashi Kaketa
東京藝術大学大学院修了後、ミラノ市立音楽院で学んだ。伊ボンポルティ国際コンクール第1位。ラ・ヴェネシアーナ、バッハ・コレギウム・ジャパン、リクレアツィオン・ダルカディアなどのメンバーとして、欧州並びに国内各地の演奏会や録音に参加。CD「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」が2012年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。

第13回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter (1795)

Anton Walter

《第13回》公演報告!
《第13回》2014年8月5日@近江楽堂 L.ボッケリーニ
共演:杉田せつ子(ヴァイオリン)・懸田貴嗣(チェロ)

せつ子&貴嗣L.ボッケリーニ:
ヴァイオリン・オブリガート付きチェンバロソナタ ハ長調 G.26 作品5-2
チェロとバッソのためのソナタ ト長調 G.5 Fonda Noseda E24-13
ヴァイオリンとチェロの伴奏付きクラヴサンのためのソナタ 第6番 ト短調 G.148

モーツァルト:
ロンドンのスケッチブックより ヘ長調 K.Anh.109b Nr.1(15a)
クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 K.303 (293c)
クラヴィーアとヴァイオリン、チェロのためのトリオ ト長調 K.496

(写真はゲネプロの様子)


イタリアにも活動拠点を置くふたりの弦楽器奏者を迎えてのボッケリーニの回。
ヴァイオリンの杉田せつ子さんとのイタリアの陽光が降り注ぐようなボッケリーニのヴァイオリン伴奏付きクラヴィーアソナタ。懸田貴嗣さんの超絶技巧満載のチェロと通奏低音のためのソナタや、アンサンブルの醍醐味が味わえるモーツァルトのクラヴィーアトリオ。おふたりの愉しいお話などなど、バラエティに富んだプログラムであっという間の2時間でした。
今回も満場のお客様におこしいただきました!

「音楽の友」2014年10月号《コンサート・レビュー》

小倉貴久子(クラヴィーア)
近江楽堂という親密な雰囲気の会場を舞台に、小倉貴久子がつづけている古鍵盤楽器演奏の一環。前回はジャダン兄弟の珍しい作品を味わわせてくれたが、今回はボッケリーニとモーツァルト。ボッケリーニとなればどうしても鍵盤曲よりは弦楽だが、杉田せつ子のヴァイオリン、懸田貴嗣のチェロを招き、ソナタや三重奏曲の佳篇を紹介した。いずれもボッケリーニらしく抒情味と機知を織り交ぜた音楽で、小倉のいつもどおり垢抜けた、ヴィルトゥオーソ的な要求にも見事に応じ得る伎倆の高さが、時代の香りと相まってたいへん快い後味を残す。弦の二人も、日本におけるピリオド楽器演奏界の水準の高さを、改めて立証する出来映えだった。後半のモーツァルトは、「クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ」K303(ハ長調)と、「三重奏曲」K496(ト長調)、ほか。ひんぱんに聴かれる曲ではないが、却って、「やはりモーツァルトは.....」としみじみ思わせてくれた。(8月5日・近江楽堂)〈濱田滋郎氏〉

公演の模様(L.ボッケリーニ:チェロとバッソのためのソナタ ト長調 E24-13 G.5 第1楽章)

《第14回》

2014年11月19日(水)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

《第14回》公演は終了しました!

〔ゲスト作曲家〕Ch.W.グルック Christoph Willibald Gluck [1714-1787]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・野々下由香里(ソプラノ)

グルック:
「戦いの歌」「ああ、私のやさしい炎が」
歌劇《思いがけない巡り会い》より序曲、
「われら愚かな民の思うは」「見知らぬすてきな方」「あなたがあんなに突然立ち去ってしまわなければ」
モーツァルト:
小品 K.15b
アンダンティーノ K.236
グルックの歌劇《思いがけない巡り会い》の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 K.455
ソナタ 変ロ長調 K.570
「鳥たちよ、年ごとに」「寂しい森の中で」「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」
歌劇《フィガロの結婚》より「自分で自分が分からない」「恋とはどんなものかしら」

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
グルック[第14回]Ch.W.グルック
モーツァルトが産声を上げた頃、ウィーンでオペラ作曲家として少し遅咲きの花を咲かせ始めたグルックは、修業時代に蓄えたオペラに対する思想を音楽に託し、次々と世に問う作品を発表してゆきます。歌手たちの虚栄心におもねる音楽から、詩に奉仕する音楽への転換。オペラ《タウロイのイフィゲネイア》のウィーン上演(1781年)ではモーツァルトもその稽古に立ち会っていました。グルックのオペラ改革なしにモーツァルトのオペラは生まれなかったかもしれません。
〈思いがけない巡り会い/メッカの巡礼たち〉は、18世紀中最も人気のあったグルックのオペラで、モーツァルトはこの作品から感化を得て〈後宮からの逃走〉を作曲しています。また、アリア「われら愚かな民の思うは」の主題によるモーツァルトの変奏曲は、ヨーゼフⅡ世、そしてグルックも臨席していた演奏会で弾かれたものです。そのオペラからアリアと知られざる歌曲を、そしてモーツァルトの歌曲とアリアをお届けします。
野々下由香里 野々下由香里 ソプラノ Yukari Nonoshita
東京藝術大学声楽科大学院修了。関西フランス音楽コンクール、第4回日仏声楽コンクールともに第1位入賞。パリ・エコール・ノルマル音楽院留学中、海外の国際コンクールにて入賞。1989年レンヌ歌劇場にデビュー。帰国後はバッハ・コレギウム・ジャパンのソリストとして活躍。古典期以前の歌唱装飾法の研究と教育に力を注いでいる。東京藝術大学古楽科教授。お茶の水女子大学講師。

第14回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]

Anton Walter

《第14回》公演報告!
《第14回》2014年11月19日@近江楽堂 Ch.W.グルック
共演:野々下由香里(ソプラノ)

第14回Ch.W.グルック:
「戦いの歌」「ああ、私のやさしい炎が」
歌劇《思いがけない巡り会い》より序曲、「われら愚かな民の思うは」「見知らぬすてきな方」「あなたがあんなに突然立ち去ってしまわなければ」

モーツァルト:
〈ロンドンのスケッチブック〉より ハ長調 K.Anh.109b-2、グルックのテーマ アンダンティーノ 変ホ長調 K.236、クラヴィーアソナタ 変ロ長調 K.570、「鳥たちよ、年ごとに」「寂しい森の中で」「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」、グルックの歌劇《思いがけない巡り会い》の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 K.455、歌劇《フィガロの結婚》K.492より「自分で自分がわからない」「恋とはどんなものかしら」

(写真はゲネプロの様子)

クラヴィーアとは縁の薄かったグルックですが、古典派の時代にオペラ改革を施し、モーツァルトに多大な影響を与えたこの人を取り上げるには遅過ぎたほどでした。〈グルックの歌劇《思いがけない巡り会い》の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 ト長調 K.455〉は、現代的な視点で楽譜だけを見ると、厳格な書法からまじめに演奏しがちです。ところが原曲となったグルックのオペラはコメディー仕立ての、至るところ笑いに溢れたもの。元となったアリアも怪し気な托鉢僧が、「愚かな民はみじめな暮らしをしている托鉢僧だとおもうだろうが、実は食卓には100のおかずに...」とおもしろおかしく歌うアリアです。このアリアを鑑賞したあとにモーツァルトの変奏曲を聴いて初めて分かるユニークな側面に会場が沸きました。モーツァルトが2曲だけ残したフランス語歌曲。野々下由香里さんの当たり役のケルビーノのアリア。今回は近江楽堂が華やかな劇場に変身したようでした!

公演の模様

《第15回》

2015年1月16日(金)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

《第15回》公演は終了しました!

〔ゲスト作曲家〕J.Ch.Fr.バッハ Johann Christoph Friedrich Bach [1732-1795]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・荒川 智美(クラヴィーア)

J.Ch.Fr.バッハ:
四手のためのソナタ イ長調、ハ長調
ソナタ ニ長調
「お母様きいてちょうだい」による18の変奏曲
モーツァルト:
小品 K.15c
四手のためのソナタ 変ロ長調 K.358
「お母様きいてちょうだい」による12の変奏曲 K.265

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
クリストフ・フリードリヒ[第15回]J.Ch.Fr.バッハ
J.S.バッハの音楽家になった息子で3番目にあたるヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハは、1750年から亡くなるまで、小さいながらも当時有数の文化の香り高い宮廷で知られていたビュッケブクルクの宮廷に仕えました。1778年、弟ヨハン・クリスティアン・バッハの住むロンドンを息子と訪問。そこでモーツァルトを知り熱烈な讃美者になります。ロンドンでフォルテピアノを購入しビュッケブルクに戻ったクリストフ・フリードリヒは、新しく就任した伯爵と、夫亡き後を摂政として継いだ夫人ユリアーネの元、楽長の務めを続けます。ユリアーネは傑出したピアニストでもあり、晩年のクリストフ・フリードリヒは、亡くなるまで古典的スタイルをこの街で極めることができました。
クリストフ・フリードリヒは、鍵盤の名手でも知られ、鍵盤作品にも独自の魅力があります。「お母様きいてちょうだい」の主題による両作曲家の変奏曲の聴き比べや、四手のための作品などをお楽しみいただきます。
荒川智美 荒川 智美 クラヴィーア Tomomi Arakawa
東京芸術大学ピアノ科を経て同大学院修士課程古楽科フォルテピアノ専攻を修了。修了時に大学院アカンサス音楽賞受賞。2010年にピアノとチェロのコンサートを開催。2011年に東京にてフォルテピアノを用いたコンサート「ウィーンのモーツァルト・サロン」Vol.1、2013年にVol.2を開催。現在、東京芸術大学大学院博士後期課程在籍中。また同大学古楽科ティーチングアシスタントを務める。

第15回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]

Anton Walter

《第15回》公演報告!
《第15回》2015年1月16日@近江楽堂 J.Ch.Fr.バッハ
共演:荒川 智美(クラヴィーア)

おモクラへ第15回J.Ch.Fr.バッハ:
四手のためのソナタ イ長調、ソナタ ニ長調、「お母様きいてちょうだい」による18の変奏曲、四手のためのソナタ ハ長調

モーツァルト:
〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ト長調 K.15c、「お母様きいてちょうだい」による12の変奏曲 K.265 (300e)、四手のためのソナタ 変ロ長調 K.358 (186c)

(写真はゲネプロの様子)

ビュッケブルクのバッハと呼ばれる本日のゲスト、大バッハの三男は4人の息子の中で最も影の薄い存在ですが、モーツァルトの音楽を知ってから大ファンになったという通り、モーツァルトと音楽上の共通点が多く、聴き比べは大変興味深いものがありました。クリストフ・フリードリヒの俗称「きらきら星変奏曲」は18からなる変奏曲ですが、クラヴィーアから様々な色合いを引き出す佳曲。四手の作品もモーツァルトとはまた違った書法がおもしろく、古典派好きには楽しめる要素のたくさん詰まった晩になりました。演奏者の背後から見守るクリストフ・フリードリヒの肖像がニンマリと四手の共演を楽しんでいるようでした。

公演の模様

《第16回》

2015年3月18日(水)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

〔ゲスト作曲家〕J.L.ドゥセク Jan Ladislav Dussek [1760-1812]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・川口成彦(クラヴィーア)

《第16回》公演は終了しました!

ドゥセク:
ソナタ「エレジー・アルモニク」 嬰ヘ短調 作品61
四手のためのソナタ 変ロ長調 作品74
四手のための3つのフーガ 作品64より第2番 ト短調、第3番 ヘ長調
モーツァルト:
小品 K.15d
四手のためのアンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K.501
フランスの歌「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
ドゥセク[第16回]J.L.ドゥセク
ヤン・ラジスラフ・ドゥセクは、チェコに生まれ修業時代を終えるとヨーロッパ各地を遍歴してピアニスト、ピアノ教師として各地で名を挙げます。ドゥセクが美しい横顔を見せるためにピアノを横置きにしてコンサートをしたのが、現代まで継承されています。フランス革命勃発時にパリにいたドゥセクは、混乱から逃れるようにイギリスへ渡ります。ロンドン滞在中にはブロードウッド社にピアノの音域の拡大を働きかけ、94年に6オクターヴのピアノが完成。ドゥセクは早速この音域で曲を書いています。
イギリスで事業に失敗。妻子を残し大陸に戻ったドゥセクは、プロイセンのルイ・フェルディナント王子の楽長になりますが、間もなく王子はザールフェルトの戦いで戦死。ドゥセクは〈エレジー・アルモニク〉を書き、死を悼みました。
川口成彦 川口成彦 クラヴィーア Naruhiko Kawaguchi
東京藝術大学楽理科を経て、同大学大学院修士課程古楽科に学ぶ。第1回ローマ・フォルテピアノ国際コンクール〈M.クレメンティ賞〉優勝。第27回国際古楽コンクール〈山梨〉第2位。現代のピアノや古楽器での独奏のみならず、声楽伴奏をはじめとしてアンサンブルにも意欲的に取り組む。BS-TBS「日本名曲アルバム」などでポップス歌手の伴奏をするなど活動は多岐にわたる。スペイン音楽をこよなく愛し、古典期からロマン派初期におけるスペイン人作曲家の知られざる作品の演奏、本邦初演を精力的に行う。BRILLIANT CLASSICSより「ドゥセク:ピアノ作品集(仮)」をリリース予定。

第16回公演の使用楽器:Klavier made by Kenta Fukamatti after John Broadwood [ca.1802]

ブロードウッド

《第16回》公演報告!
《第16回》2015年3月18日@近江楽堂 J.L.ドゥセク
共演:川口 成彦(クラヴィーア)

おモクラへ第16回J.L.ドゥセク:ソナタ「エレジー・アルモニク」嬰ヘ短調 作品61、四手のためのソナタ 変ロ長調 作品74、四手のための3つのフーガより 第2番 ト短調、第3番 ヘ長調

W.A.モーツァルト:〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ニ長調 K.15d、四手のためのアンダンテと5つの変奏曲 ト長調 K.501、フランスの歌「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲 変ホ長調 K.353

(写真はゲネプロの様子)

第16回の小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》は、シングルアクション・ハープの西山まりえさんの体調不良により、急遽クラヴィーアの川口成彦さんの出演となりました。ドュセクの四手作品は技巧的で難解な作品ですが、川口さんの高度なテクニックと音楽性で、ドゥセクの独特の世界観が立ち上がることに。
共演者とプログラムの変更にも関わらず、お客さまには寛容に受け入れていただき、そして盛大な拍手をいただきました。いつもと変わらない盛況な回を迎えられましたこと、心より感謝いたします。
ドゥセクはボヘミア出身で、古典派からヴィルトゥオーゾの時代にかけてピアノの名手として活躍した、クラヴィーア奏者にとっては重要な作曲家です。「四手のためのソナタ 作品74(葬送行進曲付き)」と「四手のためのフーガ 作品64」はピアノ連弾史に輝く名作と言ってよいでしょう。そして1807年の書かれたソナタ「エレジー・アルモニク」はドゥセクの金字塔的作品のひとつです。古典期の鬼才と呼ぶにふさわしいドゥセクの作品に会場は大きく沸きました!モーツァルトの作品からは連弾用の変奏曲と、「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲というふたつの変奏曲をお届けしました。

公演の模様

《第17回》

2015年5月12日(火)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

〔ゲスト作曲家〕J.G.エッカルト Johann Gottfried Eckard [1735-1809]

小倉 貴久子(クラヴィーア)

《第17回》公演は終了しました!

エッカルト:
ソナタ ト短調 作品1-2、イ長調 作品1-4、ハ長調 作品1-5
ソナタ ホ長調 作品2-2

エグゾデのメヌエットによる6つの変奏曲 変ホ長調
モーツァルト:
小品 K.15e
ソナタ ハ長調 K.279
ソナタ ハ長調 K.309

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
[第17回]J.G.エッカルト
モーツァルトの父レオポルトの故郷アウグスブルク出身のエッカルトは、同じ街に住む鍵盤楽器製作家J.A.シュタインと共に1758年、パリに向かいます。当初細密画を描いて生計を得ていましたが、演奏会が人気を呼び音楽家として有名になり、終生パリに住むことになります。グリムは「彼は天才であり、この上なく美しい楽想を持ち、その演奏法は感受性に満ち、しかも非常に軽やかである」と評しています。彼のそんな華やかな技量は出版された2巻のソナタ集と変奏曲の中に存分にうかがえます。モーツァルトが1763年末パリに到着する前後に出版されたこれらの作品は、細かな強弱記号や特有のパッセージをもつフォルテピアノを意識して書かれたパリにおける最初の曲集です。
パリでエッカルトの譜面を入手したモーツァルト一家は興奮を隠せません。ヴォルフガングはエッカルトのソナタをコンチェルトに編曲しています(K.40第2楽章)。知られざる天才エッカルトの魅力に迫ります。

第17回公演の使用楽器:Klavier made by Rien Hasselaar after J.A.Stein [1780s]

シュタイン

《第17回》公演報告!
《第17回》2015年5月12日@近江楽堂 J.G.エッカルト

エッカルトJ.G.エッカルト:ソナタ イ長調 作品1-4、ソナタ ハ長調 作品1-5、ソナタ ホ長調 作品2-2、ソナタ ト短調 作品1-2、エグゾデのメヌエットによる6つの変奏曲 変ホ長調

W.A.モーツァルト:〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ト長調 KV15e、ソナタ ハ長調 KV279 (189d)、ソナタ ハ長調 KV309 (284b)

(写真はゲネプロの様子)

モーツァルトの父、レオポルトの故郷アウグスブルクには、クラヴィーア製作家のA.シュタインが工房を構え、J.G.エッカルトが生を受けています。この二人は共にパリに赴き、エッカルトはパリに住みつきました。そこで新しく世に現れたフォルテピアノを意識した作品を発表したエッカルト。軽妙で機微に富む彼の作品は、軽やかなシュタインのクラヴィーアにとてもマッチしていました。作品も驚くべく天才の証がそこここに!レオポルトが高く評価し、モーツァルトが模範と仰いだというのは本当でした!

公演の模様

《第18回》

2015年7月6日(月)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

〔ゲスト作曲家〕N.-J.ヒュルマンデル Nicolas-Joseph Huellmandel [1756-1823]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・大西律子(ヴァイオリン)

《第18回》公演は終了しました!

ヒュルマンデル:
小さなエール 作品5より
ヴァイオリン伴奏付きソナタ 変ホ長調 作品1-2
ディヴェルティスマン ヘ長調 作品7-6

モーツァルト:
小品 K.15f
ヴァイオリン伴奏付きソナタ ニ長調 K.7
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 K.304
ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.481

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
[第18回]N.-J.ヒュルマンデル

鍵盤楽器とグラスハーモニカを得意としたモーツァルトと同い年のヒュルマンデルはストラスブールに生まれ、ヴァイオリニストであった父から、そして聖歌隊の一員としてその指導者から音楽教育を受けました。1776年頃にパリに移住、クラヴィーアの演奏で貴族社会や社交界で注目を浴び、当時この街で流行っていたヴァイオリンの伴奏付きクラヴィーアソナタを出版します。1778年、母と共にパリを訪れていたモーツァルトはこの楽譜を入手し「とてもすばらしい」と父に報告しています。ヒュルマンデルは《百科全書》の執筆者として〈クラヴサン(チェンバロ)〉の項目を担当し、その中で新出のフォルテピアノを対置し美点を述べています。作品における強弱法やピアニスティックな書法からも、彼の傾向をうかがうことができます。
マリー・アントワネットに献呈したヒュルマンデルのヴァイオリン伴奏付きソナタ作品1や、モーツァルトのヴァイオリンソナタの名作をお届けします。

大西律子 大西律子 ヴァイオリン Ritsuko Ohnishi
国立音楽大学卒業。バロック・ヴァイオリンで第14回古楽コンクール(山梨)第3位入賞。「カンタータ・ムジカ・Tokyo」「Millennium Bach Ensemble」「モーツァルト・アカデミー・トウキョウ」「ヨハネス・カントーレス」のコンサート・マスター。古楽・モダンを問わず様々な室内楽グループやオーケストラで活躍。「国分寺チェンバー・オーケストラ」の弦楽器トレーナー、国立音楽大学非常勤講師。

第18回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]

Anton Walter

《第18回》公演報告!
《第18回》2015年7月6日@近江楽堂 N.-J.ヒュルマンデル
共演:大西 律子(ヴァイオリン)

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第18回N.-J.ヒュルマンデル:段階的に難度が上がる小エール集 作品5より 第12番 ハ長調、第13番 イ短調、第23番 イ長調、ヴァイオリン伴奏付きソナタ 変ホ長調 作品1-2、6つのディヴェルティスマン(もしくは小エール第2組曲)作品7より

W.A.モーツァルト:〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ハ長調 KV15f、ヴァイオリンの伴奏付きソナタ ニ長調 K.7、ヴァイオリンソナタ ホ短調 K.304、ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 K.481

(写真はゲネプロの様子)

ストラスブールにモーツァルトと同年に生まれたヒュルマンデルが今回のゲスト作曲家。モーツァルトが幼年時にパリで書いたヴァイオリン伴奏付きのクラヴィーアソナタは、このヒュルマンデルや第12回で扱ったH.ジャダンの作品がモデルとなったものです。
今回の演奏家ゲストはヴァイオリンの大西 律子さん。大西さんとはかつてモーツァルトのCDをつくったり、リサイタルを共にしたり気心知れた間柄ですが、久しぶりの共演となりました。
ヴァイオリン伴奏付きの作品でのモーツァルトやヒュルマンデルの目指した効果はここにあり、という的を射た表現。モーツァルトの大きな2作品でも、大西さんの自然で古典派音楽への愛にあふれる演奏に小倉貴久子も大いに共鳴し、今回もとても幸せな回になりました。

公演の模様

《第19回》

2015年9月7日(月)午後7時開演(開場6:30)
近江楽堂

〔ゲスト作曲家〕J.B.ヴァンハル Johann Baptist Vanhal [1739-1813]

小倉 貴久子(クラヴィーア)・坂本 徹(クラリネット)・成田 寛(ヴィオラ)

《第19回》公演は終了しました!

ヴァンハル:
クラリネット・ソナタ 変ロ長調
ヴィオラ・ソナタ ヘ長調 作品5-3
クラヴィーア・ソナタ ニ短調 作品30より
モーツァルト:
小品 K.15g
フィッシャーのメヌエットの主題による12の変奏曲 ハ長調 K.179
クラリネットとヴィオラ、クラヴィーアのためのトリオ 変ホ長調 K.498「ケーゲルシュタット」

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
ヴァンハル[第19回]J.B.ヴァンハル

シンフォニーを100曲以上、協奏曲や室内楽作品、声楽作品を合わせると、生涯に作曲した作品は1000曲を下らないという多作家。特にシンフォニーはヨーロッパを超えアメリカまで広く知られていました。ヴァンハルはハイドンなどウィーンに集う作曲家たちと影響を及ぼし合いながらソナタ形式を始めとする形式美をつくり上げ、また激しく多感な感情表現が印象的な短調作品を残しています。
ヴァラエティに富む室内楽の楽器編成は、演奏家との交流が豊かに行われていたことの証です。ヴィオラのため、クラリネットのために書かれたソナタ。そしてモーツァルトの室内楽からは屈指の名曲〈ケーゲルシュタット・トリオ〉をお届けします。1777年10月19日にアウグスブルクでモーツァルトはヴァンハルのヴァイオリン協奏曲を演奏。またその晩のコンサートでは、「フィッシャーの主題による変奏曲」をクラヴィコードで演奏しています。当シリーズ初登場になるクラヴィコードにもご期待ください。

坂本徹 坂本 徹 クラリネット Toru Sakamoto
桐朋学園大学卒業。バーゼル・スコラ・カントールム、デン・ハーグ音楽院に留学。ブルージュ国際古楽コンクール、アンサンブル部門で第1位受賞。「アニマ・エテルナ・オーケストラ」などでクラリネット奏者としてヨーロッパで活躍。指揮者としても「モーツァルト・アカデミー・トウキョウ」を立ち上げるなど活動を展開。楽器製作家としても国際的に高い評価を受けている。
成田寛 成田 寛 ヴィオラ Hiroshi Narita
デン・ハーグ音楽院に学ぶ。「新日本フィルハーモニー」ヴィオラ奏者、「新星日本交響楽団」と「東京フィル」の首席奏者を歴任後、現在は「山形交響楽団」の契約首席を務める。オリジナル楽器奏者として「オーケストラ・リベラ・クラシカ」「バッハ・コレギウム・ジャパン」「クラシカル・プレイヤーズ・トウキョウ」「レ・ボレアード」等のメンバーとして活動している。

第19回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]
Clavichord made by Kenta Fukamatti after Ch.G.Hubert [1770s]

Anton Walter研太クラヴィコード

《第19回》公演報告!
《第19回》2015年9月7日@近江楽堂 J.B.ヴァンハル
共演:坂本 徹(クラリネット)、成田 寛(ヴィオラ)

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第19回J.B.ヴァンハル:クラリネット・ソナタ 変ロ長調/ヴィオラ・ソナタ ヘ長調 作品5-3、クラヴィーア・ソナタ 作品30より第1番 ニ短調

W.A.モーツァルト:小品 K.15g、フィッシャーのメヌエットの主題による12の変奏曲 ハ長調 K.179、クラリネットとヴィオラ、クラヴィーアのためのトリオ 変ホ長調 K.498〈ケーゲルシュタット〉

 

18世紀音楽愛好家の中では名の知られたヴァンハルの登場となった第19回!クラリネットの坂本徹さん、ヴィオラの成田寛さん、お二方それぞれとの洒落たヴァンハル作曲のソナタ。ニ短調の疾風怒濤様式のドラマティックなクラヴィーアソナタ。モーツァルトのケーゲルシュタットトリオ。シリーズ初登場となったクラヴィコードを用いて、フィッシャーのメヌエットによる変奏曲を演奏。盛りだくさんの18世紀的バラエティーショーのような愉しいプログラムとなりました。満員御礼のお客さまにお集まりいただき6度目のチクルスを盛況に終えることができました。

Mercure des Arts 掲載 佐伯ふみ氏の批評

「音楽の友」2015年11月号《コンサート・レビュー》

小倉貴久子 fp
小倉貴久子が続けている、モーツァルトとその周辺の作曲家たちを取りあげるコンサート・シリーズの一環。今回はモーツァルト8歳の作品1曲と、「変奏曲」ハ長調K179(フィッシャーのメヌエットによる)、「クラヴィーア、クラリネットヴィオラのための三重奏曲(俗称《ケーゲルシュタット・トリオ》)に、ボヘミア出身の作曲家ヴァンハル(1739~1813)の作品 「ヴィオラ・ソナタ」ヘ長調、「クラリネット・ソナタ」変ロ長調、「鍵盤用ソナタ」ニ短調 を組合せた、興味深く聞き応えもあるプログラム。小倉はフォルテピアノのほかモーツァルト「変奏曲」ではクラヴィコードも披露したが、いずれも楽器の味わいを知り抜いた達演。加えてヴィオラの成田寛、クラリネットの坂本徹も、練達の古楽エキスパート。小ホールとは言え、毎回満員のファンを集めて催すこのシリーズの意義は大きい。小倉貴久子の人柄も魅力の源泉をなすと言えよう。(9月7日・近江楽堂)〈濱田滋郎氏〉

公演の模様

《第20回》

2015年12月12日(土)午後2時開演(開場1:30)
第一生命ホール(晴海トリトンスクエア内)

《第20回》公演は終了しました

〔ゲスト作曲家〕F.X.モーツァルト Franz Xaver Mozart [1791-1844]

小倉 貴久子(クラヴィーア)
若松夏美、堀内麻貴、天野 寿彦、原田 陽、山内彩香(ヴァイオリン)

成田 寛、高岸 卓人(ヴィオラ)・武澤秀平(チェロ)・小室 昌広(コントラバス)
菊池かなえ(フルート)・坂本 徹、李 胎蓮(クラリネット)・鈴木 禎、安本久男(ファゴット)
塚田 聡・大森 啓史(ホルン)・斎藤秀範、霧生貴之(トランペット)・井手上 達(ティンパニ)
☆ピリオド楽器使用室内オーケストラ☆

F.X.モーツァルト:
4つの感傷的なポロネーズ 作品22より
クラヴィーア・コンチェルト 第2番 変ホ長調 作品25

W.A.モーツァルト:
ロンドンのスケッチブックより小品 ヘ長調 K.15h
クラヴィーア・コンチェルト 第22番 変ホ長調 K.482
クラヴィーア・コンチェルト 第23番 イ長調 K.488

コンサートの聴きどころ 小倉貴久子
F.X.モーツァルト[第20回]F.X.モーツァルト
W.A.モーツァルトの没年、1791年夏に生まれたフランツ・クサーヴァーは、一流の音楽教育を施され才能を開花。母コンスタンツェの期待を背に「W.A.モーツァルト二世」として音楽界にデビュー。教師、ピアニストとして活躍し、作曲家としても声楽曲、合唱曲、またヴァイオリンソナタなど器楽作品を少なからず残しています。クラヴィーア協奏曲 第2番は、1819年から21年にかけてヨーロッパ中を巡った演奏旅行の際に携われたもので、彼の随一の傑作として知られています。「感傷的なポロネーズ」は詩的でロマン的情緒溢れる作品。
ヴォルフガング・アマデウスの作品からは、彼の最も輝いていた頃に書かれた傑作クラヴィーア協奏曲第22番と第23番。当時の管楽器、弦楽器とフォルテピアノが呼び交わす華やかさ、哀愁をたたえた悲しみ、様々な感情の錯綜する調べから、室内楽的喜びをピアノ協奏曲に発見することでしょう。
W.A.モーツァルトの作品は、古典派時代のA.ヴァルターモデルのフォルテピアノで、息子F.X.モーツァルトではロマン派時代のJ.B.シュトライヒャー製作のフォルテピアノを使用。どちらもウィーンを代表する製作家です。2台のフォルテピアノの音色の聴き比べもお楽しみいただきます。

第20回公演の使用楽器:Klavier made by Chris Maene after Anton Walter [1795]
Klavier made by Johann Baptist Streicher [1845]

Anton WalterJ.B.シュトライヒャー

《第20回》公演報告!
《第20回》2015年12月12日@第一生命ホール F.X.モーツァルト 記念公演(クラヴィーアコンチェルト)
共演:若松夏美、堀内麻貴、天野寿彦、原田 陽、山内彩香(ヴァイオリン)、成田 寛、高岸卓人(ヴィオラ)、武澤秀平(チェロ)、小室昌広(コントラバス)、菊池かなえ(フルート)、坂本 徹、李 胎蓮(クラリネット)、鈴木 禎、安本久男(ファゴット)、塚田 聡、大森啓史(ホルン)、斎藤秀範、霧生貴之(トランペット)、井手上達(ティンパニ)

小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》第20回F.X.モーツァルト:クラヴィーア・コンチェルト 編ホ長調 作品25(第2番)、4つの感傷的なポロネーズ作品22より 第4番 ト短調

W.A.モーツァルト:小品 K.15h、ロンド ヘ長調 K.590b(補筆:F.X.モーツァルト)、クラヴィーア・コンチェルト イ長調 K.488(第23番)、クラヴィーア・コンチェルト 変ホ長調 K.482(第22番)

 

第20回記念公演を盛況の中、開催することができました!息子クサーヴァーのピアノコンチェルト第2番を取り上げたく、そして父モーツァルトの作品からは同じ調性&編成の変ホ長調のコンチェルト第22番とクラリネットの入った第23番を。さらに、クサーヴァーによる補筆完成版のロンドK.590bと、クサーヴァーの感傷的なポロネーズ。フォルテピアノ2台を弾き分けながら交互に演奏しました。
素晴らしい共演者の方々と、行き届いた配慮でサポートしてくれたたくさんのスタッフ、そして温かい聴衆のみなさまに支えられて無事にコンサートを終えることができました。
小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》は、5月より再々スタート!まだまだ続きます!

《当日の声より》
・このシリーズが好きで、久しぶりに聴きに来ましたが、やはりとても楽しかった。古楽器の響きが心地よい。
・今回のプログラムも、すばらしいオーケストラとの協演も、もちろん小倉様のフォルテピアノの音色も何もかも美しく心がときめきました。W.A.モーツァルトの息子、クサーヴァーの作品を聴いたのは、これが初めてです。コンチェルトがとても華やかで、こんな名曲があったのかと驚きました。ヴァルターもシュトライヒャーも、オーケストラのピリオド楽器も...すべてが一つに溶け合って感動しました。
・二種類のクラヴィーアをひき分けていただき、時代による楽器の音色、音量の違いを知ることができてよかったです。現代楽器で聴き慣れているモーツァルトの協奏曲も、古楽器を聴くと雰囲気がかなり違っておもしろかったです。
・初めて聴いた曲にもかかわらず耳障りのないとてもきれいな曲でした。何かなつかしい、素直に耳から体に響いてくる曲でとてもいやされました。
・(前略)(K.482の)第3楽章ではアンダンティーノの美しすぎる中間部で、最初のオケの伴奏の弦をsoliで弾かせ2回目を合奏にしたのには、最初のその美しい響きに鳥肌もので、それが帰ってくると思いきや、優しさあふれる温かい音への変貌に、完璧に打ちのめされてしまいました。これを聴けただけで十分!って感じ。(中略)愉しさ満点の音楽会。帰りに来年度のこのシリーズのチケットを早々に購入。そして小倉さんのサイン会もしっかり並ぶという充実した1日になりました。

第11回〜第19回の会場/近江楽堂
(京王新線「初台」駅下車、オペラシティ方面出口3分)

〒163-1407 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティ3階
Tel. 03-5353-6937(近江楽堂・松木アートオフィス)

第20回の会場/第一生命ホール WebSite
(晴海トリトンスクエア内:都営地下鉄大江戸線「勝どき駅」A2出口を出て交差点を渡らずに左へ徒歩8分)

〒104-0053 東京都中央区晴海1-8-9 晴海トリトンスクエア内
Tel. 03-3532-3535(第一生命ホール)

共催:認定NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール
助成:公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団、公益財団法人 野村財団(第20回)
後援:日本モーツァルト協会、一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会
協力:近江楽堂 松木アートオフィス、KiKla
TAN's Amici Concert

【チケット発売・お問い合せ】
・メヌエット・デア・フリューゲル(主催)Tel.048-688-4921 mdf-ks@h7.dion.ne.jp
当サイト《チケットお申し込みコーナー》よりお申し込みください。
・近江楽堂・松木アートオフィス Tel.03-5353-6937(第20回公演については取り扱いございません)
【チケット発売】
・東京オペラシティチケットセンター Tel.03-5353-9999(第20回公演については取り扱いございません)
・イープラス e+ http://eplus.jp/ (第20回公演については取り扱いございません)
・ピティナ http://www.piano.or.jp/concert/support/(第20回公演については取り扱いございません)
・東京文化会館チケットサービス Tel.03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp/ticket/

・当日券の有無についてはお問い合せの上ご来場ください。
・未就学児の入場はご遠慮ください。

[近江楽堂@東京オペラシティ 交通のご案内]
●京王新線〈都営地下鉄新宿線相互乗入れ〉初台駅東口・・・徒歩5分以内
●小田急線 参宮橋・・・徒歩約14分
●都営地下鉄大江戸線 西新宿五丁目駅A2出口・・・徒歩約17分
●渋谷駅西口よりバス・・・約20分
 京王バス〈渋64〉:東京オペラシティ南または東京オペラシティ下車
 京王バス〈渋61〉〈渋63〉〈渋66〉/都営バス〈渋66〉:東京オペラシティ南下車
*駐車場(B2)7:00~23:30 30分300円

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現在進行中/第21回からの《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》
《第11回》L.v.ベートーヴェン 《第12回》ルイ・エマニュエル&
イアサント・ジャダン兄弟
《第13回》L.ボッケリーニ
《第14回》Ch.W.グルック 《第15回》J.Ch.Fr.バッハ 《第16回》J.L.ドゥセク
《第17回》J.B.エッカルト 《第18回》N.-J.ヒュルマンデル 《第19回》J.B.ヴァンハル
  《第20回》F.X.モーツァルト  
第1回〜第10回過去の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》の記録

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当シリーズが終了した場合は、当クーポン券の効力も消滅します。
有効期限はありません。クーポン券台紙はコンサート会場にて配布しております。
現在販売中のディスクの中からお好きなものをお選びいただけます。ただし2枚組は除きます。

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